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3−C 八ヶ岳主峰群の縦走 |
唐沢鉱泉−黒百合平−天狗岳−夏沢峠−硫黄岳−横岳−赤岳−キレット−権現岳−編笠山−観音平 |
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約15時間20分 |
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2泊3日または3泊4日 |
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約1,400m(赤岳〜観音平) |
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6月〜10月上旬 |
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体力・技術が備わったら歩いてみよう。 |
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唐沢鉱泉から林道を300mほど登った所で唐沢左岸へと渡る。ここから樹林帯の登山道となり、渋の湯コースとの合流点まで程よい傾斜で登って行く。渋の湯コースを合わせる辺りから川床状の岩ゴツの登山道となり、黒百合ヒュッテの建つ黒百合平までスリップに注意しながら登って行く。黒百合平でスリバチ池コースを分け、縦走の始点となる中山峠に向かう。中山峠から天狗岳に登って行くと樹林帯から高山帯の稜線歩きとなる。スリバチ池コースの合流点をすぎて、鎖場もある岩稜を登り詰めれば眺めの良い東天狗岳山頂に到着する。(最高点のある西天狗岳の往復は約40分)東天狗岳から岩稜を少し下れば歩きやすい砂礫の道となり、途中本沢温泉への分岐(白砂新道への分岐)を通り過ぎ、爽快な縦走路が続く。根石岳を越えると貴重な水場がある根石山荘となり、そこから箕冠山へと登り返す。樹林に覆われた箕冠山山頂でオーレン小屋への道を分け、緩やかに夏沢峠に向け下っていく。桜平方面への道を右に分け、ヒュッテ夏沢と山びこ荘の間を通り、左に本沢温泉への道を分れば硫黄岳への登りが始まる。森林限界を超えれば歩きやすい岩礫の道に変わり、爆裂火口の荒々しい景観を見ながら登って行く。眺めの良い広々とした硫黄岳山頂に到着すれば、正面に鋭角な八ヶ岳主峰群が連なり、背後には北八ヶ岳の山々が穏やかに続く。方向を確認して硫黄岳山荘が建つ大ダルミまで緩やかに下り、そこから緩やかに登り返して行くと稜線は次第に狭まり、いよいよ横岳の岩稜歩きが始まる。花の時期には高山植物の咲き誇るところだが、あまり気をそらさずに連続する梯子や鎖場を通過していく。横岳山頂の奥ノ院から歩きやすい岩稜が三叉峰付近まで続き、三叉峰下で海ノ口方面への道(杣添尾根)を分ける。再び険しい岩稜となり、鎖や梯子を頼りにしながら石尊峰、鉾岳、日ノ岳、二十三夜峰を巻くように越えれば険悪な横岳縦走は終わる。地蔵尾根コースを右に分ければ程なく赤岳天望荘となり、赤岳山頂に向け岩屑に覆われた広い稜線を登って行く。やがて岩稜となり鎖場を抜け、もうひと登りすれば赤岳頂上小屋の建つ赤岳北峰に到着する。最高点は南峰にあり、両峰とも素晴らしい眺めが得られる。赤岳山頂を後にキレットへ向かう。急な岩場を鎖や梯子を頼りに下り、竜頭峰手前で阿弥陀岳方面の道を右に分け、竜頭峰を巻いた先で真教寺尾根の道を左に分ける。岩場をさらに下り再び阿弥陀岳方面の道を分ければ、権現岳を正面に見ながらの歩きやすい尾根道となる。天狗尾根の頭付近で再び岩場となり、左手に大天狗・小天狗の岩峰を見送りながら鎖や梯子が連続する岩稜を下っていく。岩稜の次に現れるのが、転倒の許されないルンゼ状のガレ場の急斜面で、浮石も多く一瞬たりとも気の抜けない下りが続く。悪場が終われば気の休まる樹林帯に入り込み、ハイマツ帯ともなれば緩やかな道となり、キレット小屋まで下っていく。最低鞍部の砂礫地はコマクサの群生地で、一段下の樹林内にキレット小屋が建つ。キレットを後に樹林帯の急坂をひと登りすると、ツルネと呼ばれる小ピークに出る。振り返れば荒々しい赤岳や阿弥陀岳を仰ぎ見ることができる。花の時期であればコマクサを中心とした高山植物が咲くのどかな山稜がしばらく続き、旭岳の登りにかかればハイマツの茂るヤセ尾根へと変わり、切り立った旭岳山頂は巻くように通過する。ハイマツの尾根道を下り、権現岳に登り返していくと20m近い60段にも及ぶ長い鉄梯子が現れる。高度による恐怖心を抑えながら一段一段慎重に登り、鎖場を抜ければ権現岳の頂稜となる。振り返ると、切り立った旭岳や赤岳の雄姿が望め、素晴らしい景観が広がる。分岐で権現岳絶頂の岩峰や三ツ頭方面への道を分け、直下の権現小屋の前を通り編笠山に向かう。鎖の張られたギボシの岩峰を巻き、ガレ場を下るとノロシバと呼ばれる小ピークとなる。樹林帯の道を下っていけば青年小屋の立つ乙女平に到着する。西岳と押手川への道を分け、編笠山に向けペンキ印が付けられた岩塊帯を登って行く。やがて樹林帯の直登となり、正面に南アルプス北部の山々が望めるようになると広々とした編笠山山頂に到達する。長かった縦走を締めくくる最後の山頂からは、越えてきた山々を感慨深く望むことができる。山頂を後に観音平に向け下山する。富士見高原への道を分け、岩塊の急坂を下っていくと樹林帯になり、やがて押手川に到着する。傾斜の緩んだ道を下ると雲海展望台となり、さらに下ればゴールの観音平に到着する。振り返れば編笠山が高く美しく望め、歩き通した満足感が得られることだろう。 |
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中山峠への最短コースとして唐沢鉱泉を入山口としたが、路線バスのある渋の湯や麦草峠、佐久側の稲子湯から中山峠を目指しても良い。さらに、蓼科山からの縦走コースを組み合わせれば八ヶ岳全山縦走となる。 |
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高山帯を歩く時間が長いので、強い陽射しによる日射病や日焼け、風による体温の低下にも注意が必要。 |
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唐沢鉱泉(旅)、黒百合ヒュッテ(山)、根石山荘(山)、ヒュッテ夏沢(山)、山びこ荘(山)、硫黄岳山荘(山)、赤岳天望荘(山)、赤岳頂上小屋(山)、キレット小屋(山)、権現小屋(山)、青年小屋(山)
(旅は旅館及びロッヂ、麓は車が入る山小屋、山は山小屋) |
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