第29回八ヶ岳フォトコンテスト
全国から126名、292点のご応募をいただき誠にありがとうございました。
選評 / 武藤 昭(山岳映像作家・武藤プロダクション主宰)
茅野市観光協会長賞
八ヶ岳に湧く
朝田 理恵(東京都品川区) 撮影地:車山
【選評】
手前の唐松の森のしっとりした色相と奥の暮色の空の色が素晴らしい。その中央に阿弥陀岳、赤岳、横岳と静寂の中に輝いているのは見事である。中央の雲も距離感を出すのに役立っている。
八ヶ岳観光協会長賞
地蔵尾根を登る
佐藤 孝也(愛知県瀬戸市) 撮影地:赤岳地蔵ノ頭
【選評】
午前中の斜光中で明快なコントラストで美しい。登って来る二人の登山者の大き過ぎず良く納まっている。先頭の人物の顔がもう少し見えていたらより良かったでしょう。
茅野商工会議所会頭賞
秋の蓼科大滝
太田 秀男(長野県駒ヶ根市) 撮影地:蓼科大滝
【選評】
よく見る風景だが、とても良くまとまっている。奥行のある紅葉と浅い緑の森が静かな遠近感を出していて、中央を流れる川が美しく流を構成する岩が味を出している。右手の苔の緑と黄色い紅葉が利いている。
小海町観光協会長賞
朝日に染まる
佐々木 浩(長野県佐久穂町) 撮影地:小海町稲子
【選評】
硫黄の冬の岩壁が大変迫力を出している。稜線の雲が見事である。手前の山並みから空間を置いて雲が流れているのは非常に効果的で美しい。この空間に、飛ぶ鳥などを捕えられれば、さらに良い作品に成ったでしょう。
佐久穂町観光協会長賞
輝く紅葉
岡本 芳隆(神奈川県横須賀市) 撮影地:白駒池
【選評】
昨年も同じ様な作品が応募されたが、今回の作品はより一層明解な美しさが表現されている。広角レンズをしっかりと計算して、画面手前にリズムを付けたのが面白い。太陽の木漏れ日が変化を加え臨場感を増している。
ラムダ賞
初夏の紅色
小川 深志(長野県茅野市) 撮影地:八島湿原
【選評】
燃え上がるレンゲツツジが華麗な迫力を見せ、夕暮れの樹林や木道の陰影と、燃え上がる空のコントラストが美しい。木道に人影が在れば、よりドラマチックになったでしょう。
モンベル賞
光臨
伊藤 良江(長野県諏訪市) 撮影地:霧ヶ峰
【選評】
極寒の朝に、ダイヤモンドダストに依るサンピラーが見事に表現されています。私も穂高の稜線で撮影した事が有りましたが。これ程美しいのは初めてです。背景の中に浮かぶ唐松の霧氷が繊細な構成となっています。
信濃毎日新聞社賞
厳冬の夕刻
福井 一夫(埼玉県狭山市) 撮影地:北横岳
【選評】
手前の雪原から広大な森のスロープが広がり、更に幾重にも重なる八ヶ岳の山麓の広さが表現されている。編笠山、権現、阿弥陀と延々と続く山並みが赤岳・横岳と続き黄昏の光に染まってゆく大きく美しい大パノラマは、この位置から見られる絶景です。もう少し上部の空を入れることによって空気感と一層の広大さが表現されたでしょう。
長野日報社賞
もののけの予感
松矢 紳嗣(京都府長岡京市) 撮影地:白駒池
【選評】
いかにも北八ヶ岳独特の深い森と苔の華麗な姿、森の切り取り方が適格で、其処に光の乱舞が差し込み、ガスで輝く。以前、私も撮影したが、これ程輝かしいものでは無かった。傑作と言えるでしょう。
茅野市民新聞社賞
開山祭最年少者
五味 輝夫(長野県茅野市) 撮影地:北横岳
【選評】
神主の和やかな表情と子ども達の可愛らしい姿が開山祭の儀式を盛り上げていて好ましい。それを見守る人々も明るく和やかないい瞬間をとらえています。背景の雲も高山らしい空間を表現しています。報道またはドキュメンタリー的山岳写真も、一部門としてとらえたいと考えています。
八ヶ岳特別賞
【八ヶ岳特別賞 総評】
年々質の高い作品が増えて審査が楽しいです。山岳写真として立派なものや、田畑や人々の生活越しのホットな写真も見られ、いろいろな表現が広がってきました。山と登山者の絵も楽しみです。今回の入選作品は、技術・構図・シャッターチャンス、全てにおいて質の高いものが多く感動しております。